R.U.S.E.研究室

アンドリュー・キャンベル

 イギリス人の情報将校で、主人公シェリダンの相棒。

 ユニットの性能から操作方法、戦場の様子も手取り足取り教えてくれる貴重なアドバイザー。階級は大佐である。シェリダンにはアンドリューと呼ばれている。

北アフリカ・イタリアの戦い

 ドイツ軍の攻撃を受けて、実戦経験の乏しいアメリカ軍は大混乱に陥っていた。その混乱のさなか、キャンベルは相棒となるシェリダンに出会う。

 少佐だったシェリダンはカセリーヌ峠の重要性を説き、キャンベルは彼の作戦を許可した。シェリダンと共にカセリーヌ峠の戦いを指揮し、拠点の防衛に成功する。

 シェリダンの軍事的才能に感服したキャンベルは、上官であるチャールズ・ウェザビーにシェリダンの昇進を上申している。

 キャンベルはイタリアの戦いでもシェリダンと共に指揮を執り、若き指揮官に偵察車や駆逐戦車の有用性を教えている。爆撃機の運用にも詳しく、キャンベルの的確な助言によってシェリダンはモンテ・カッシーノ要塞の破壊に成功した。

ノルマンディー上陸作戦

破壊されたドイツ軍の沿岸陣地

 イタリアでの功績が認められたのはシェリダンだけだった。彼は少将にまで昇進し、大佐のままだったキャンベルとは立場が逆転していた。

 しかし英国紳士たるキャンベルは何ら不満を漏らすことなく、シェリダンに付き添い続けた。彼にとって、戦争を早期終結に導き、犠牲者を最小限に抑えられる指揮官はシェリダンしかいなかった。

 だが、徐々にシェリダンは自らの才能を過信するようになった。また、作戦や情報の扱いをめぐってガーナーと対立するようになっていった。

 軍港シェルブールを攻略したシェリダンに、栄光の日々が訪れた。彼は連日ワインを飲み、ガーナーと会話を楽しむようになった。戦いによって多くの兵士が倒れていったことを、もはや彼は気にもとめようとしなくなっていた。

マーケット・ガーデン作戦の失敗

 キャンベルはマーケット・ガーデン作戦に反対した。ドイツ軍の反撃が予想され、それはあまりに危険な作戦であった。だが、彼の進言が聞き入れられることはなかった。シェリダンやガーナーとの関係も悪化した。キャンベルは、シェリダンの元から立ち去っていった。

 マーケット・ガーデン作戦は失敗に終わった。

 戦場を離れたキャンベルだったが、マーケット・ガーデン作戦で作戦目標がドイツ軍に伝わっていたことを疑問に思い、独自に調査を開始していた。

バルジの戦い

コルディッツ城

 1944年12月、多くの将校はクリスマス休暇を取って帰国していた。あまりにも危機感が足りない。ドイツ軍が攻撃してくる兆候がある。だが、将軍でもないキャンベルには、どうすることもできなかった。

 そして、ついにキャンベルは連合軍の情報がドイツ軍に漏れていた証拠をつかんだ。

 シェリダン将軍は前線に留まっていた。彼にはまだ、兵士たちを思う心が残っていたのだ。キャンベルは司令部に飛んだ。

 シェリダンとキャンベルは和解し、コンビはここに復活した。飛ぶ鳥を落とす勢いのシェリダン准将が謝罪したのである。

 キャンベルに活躍の場が再び戻った。シェリダンと協力して要衝バストーニュを死守し、ドイツ軍の進撃を食い止めることに成功した。

 コルディッツ城の解放はキャンベルたちに有力な情報をもたらした。彼らはドイツ軍のリヒター将軍の協力も得て、世界を危機から救うことに成功した。シェリダンの活躍の陰には、いつもキャンベルがいた。

 それでも、キャンベルが認められることはなかった。彼は最後まで大佐だった。おまけに「ナイチンゲール」を手にすることもできなかった。

 だが、それでも彼は英国紳士。半ば諦めた顔には、笑みがたたえられていた。

 世界と多くの兵士を救ったのだ。これ以上に、何の名誉が必要だろうか。彼のその後はわからないが、きっとロンドンに戻り、ピカデリーで紅茶を飲む日々を送っているはずだ。