R.U.S.E.研究室

空挺ラッシュ対策

 R.U.S.E.には妙な戦術がある。それが開幕空挺ラッシュ。開幕から飛行場を建て、全資金を空挺部隊につぎ込んで生産し、敵司令部に送り込み占領してしまうというもの。

 成功すればほとんど戦わずに勝敗は決するし、失敗した場合は仕掛けた側が大きく不利になる。そこにはゲームとして楽しめることは少なく、ラッシュに失敗したらそのまま降伏してしまってそのゲームを無駄にしてしまうプレイヤーも少なからず存在する。

 しっかりと対策すれば撃退できるのだが、慣れていてもうっかりしているとやられてしまう。ここはしっかりと対策して、空挺ラッシュを受けても対処できるようにしていこう。

空挺ラッシュの方法

 飛行場や空挺部隊が安価なイギリスが仕掛けてくることが多い。しかし偵察能力も持った日本や、輸送機の速度が速いドイツ、それにその他の国も可能であるため、油断はしないようにしたい。特にドイツは輸送機が速く、空挺部隊なのか普通の航空機なのか判別しにくいので注意。

 ここではシンプルな開幕空挺ラッシュを、イギリスを例に考えてみる。まず飛行場(40ドル)を設置し、補給拠点は取らない。全資金(160ドル)を空挺部隊(15ドル)に投入する。つまり、だいたいすぐに11ユニットは生産できる。これを敵の司令部へ向かわせる。という感じである。

戦闘機による迎撃

 戦闘機を生産して輸送機を撃墜してしまいたくなるのだが、これはもっとも選んではいけない方法である。なぜなら、数が足りないからだ。

 普通は開始と同時に補給拠点を2~3は取りに行く。戦闘機は20ドル程度するので、飛行場の費用も考えるとせいぜい3機程度しか生産できない。そのわずかな戦闘機で先頭の輸送機を攻撃している間に、後続の輸送機が到着して降下されてしまうことだろう。飛行場の近くに降下されてしまえば、離陸していない航空機は一方的に次々と破壊されてしまう。

 空挺ラッシュに戦闘機で対抗することは厳禁である。

対空砲による迎撃

 次に対空砲で降下前に撃墜してしまう作戦はどうか。

 結論から言うと、これもよくない。対空砲は先頭の輸送機から狙っていくため、多数の航空機が同時に来る場合は全部撃墜するのは難しい。また、降下されてしまうと、対空砲は無力であり、やはり一方的に撃破されてしまう。

 また、空挺は迂回させたり降下場所を変更することができるため、対空砲だけでは範囲をカバーできずに、降下した空挺部隊から司令部を守るためにバンカーなどを設置する羽目になってしまうことも多い。

基本は軽戦車

 空挺は降下した後を叩くのが基本となる。安価で足が速い軽戦車を使うのがベスト。空挺部隊は着地してしばらくは無防備の状態なので、そこを狙って軽戦車を置いておこう。

 近づけすぎると対戦車弾で反撃を食らうことがある。射程ぎりぎりになるように距離を取って待つこと。対歩兵戦の基本でもある。

 より安全を考えるのならば、歩兵を何ユニットか生産して避難させておくとよい。万が一司令部を占領されても、奪還することができる。

国別対策

アメリカ
スチュアートリーを使うのがいいだろう。グレイハウンドならば視界が広く森にも入れるが、コストを考えると一般的にはスチュアートか。撃滅後は迂回して敵司令部に向かわせることで無駄にはならない。
イギリス
兵舎を設置してヴィッカース。兵舎が高いため設置を躊躇しやすいが、ヴィッカースは生産速度が遅いために、もたもたしていると間に合わないことがある。しかし、生産してしまえば簡単に排除できるし、その後は裏道にでも置いておけば裏取り防止になる。前哨基地も組み合わせよう。
ドイツ
III号戦車またはSDKFZ 222を使う。
フランス
どの戦車でもいいが、どれも足が遅いので早めに生産しよう。
イタリア
イタリアに空挺を仕掛けてくることはないだろう。装甲車両基地が安くカルロは安価で足が速く、歩兵を潰すのに最適だからだ。兵舎があればカルロ・ベローチェが活躍してくれる。
ソ連
BA-11は足が遅いので役に立たない。T-26も微妙。歩兵(親衛隊)で対処するのが無難。やはり移動が遅いので展開は早めに。
日本
日本は対空バンカートーチカ零戦を組み合わせて撃退したいところ。ハ号が出せれば安心ではある。

残念な全力空挺ラッシュ

 R.U.S.E.は正々堂々と戦うゲームではないので、空挺ラッシュという戦術を使うことは特に問題ないのだが、いろいろと残念なことになる。

 2対2で戦うとき、1人が空挺ラッシュを試みたとする。成功したとする。

 初っぱなから1人のプレイヤーが脱落することになり、2対1の戦いになる。ほとんど何もしていない状態で圧倒的不利になるため、残されたプレイヤーは離脱してしまうことが多い。となればゲームは終了だ。

 結果として、空挺ラッシュを仕掛けた人以外はほぼ何もせずにゲームが終わってしまう。残されたプレイヤーがゲームを続けた場合も、優劣がはっきりしすぎていて面白くない。

 次に失敗した場合。

 空挺ラッシュを仕掛けたプレイヤーがそのまま継続してプレイするならば問題はない。仕掛けた側は不利になるが、対策した側も相応の資金を使っているので、そこまで差はついていない。だが、全力空挺ラッシュを失敗したプレイヤーはたいていの場合、すぐに離脱してしまう。

 空挺の対策に追われたプレイヤーは多少抵抗する面白みもあるが、さあこれから反撃するぞというところで離脱されるので、やっぱりつまらない。他のプレイヤーはほとんど何もしていないので、やっぱりつまらない。

 というわけで、仕掛けた人以外全員がつまらないということになってしまう。だからこそ、しっかりと対策して、確実に返り討ちにすることで無毛なゲームを減らしたいところである。