R.U.S.E.研究室

空軍の安全地帯

 陸上ユニットは森や市街地に隠れたり、後方に下がることで敵の攻撃から逃れることができる。装甲を持たないユニットでも、とりあえず自陣まで退却すれば安心である。砲弾の飛び交う戦場から、安全地帯へと退避することができる。

 一方で航空機は、森があろうと市街地があろうと、隠れる場所はない。空を飛んでいる限り、自陣の上空であろうと敵陣の上空であろうと、常に敵に狙われることになる。

戦線維持ができない空戦

 航空機は一度交戦すると、弾薬補給のため帰還しなければならない。一定の位置に居座り続けることができる陸上ユニットとは異なり、航空機は同じ場所を守り続けることは困難である。

 航空機には安全地帯と言えるものはない。

 これは自分の司令部や飛行場の真上であっても例外ではなく、敵の航空機はこちらの陸上部隊の上空を悠々と飛行して、航空機を攻撃してくる。航空機は離陸時と着陸時は無防備で、しっかりと対策しておかなければ危険にさらされることになる。

逃げ場のない空軍

 陸軍は森の後方、川の後方、市街地の後方などに退却すればある程度安全で、劣勢であっても態勢を立て直す余裕がある。

 対して空軍はそのような逃げ場はなく、一度劣勢に立たされるととことん追い詰められてしまう。飛行場に着陸した状態でカモフラージュをかけておけばとりあえずは攻撃されないが、危険が大きすぎるし、順番に離陸すれば袋叩きに遭ってしまう。もちろん、爆撃されれば一巻の終わりだ。

空軍の安全地帯を作る

 そこで、空軍の安全地帯を作り出すことが大切になる。空軍にとって、いざとなれば逃げ込める安全地帯があれば非常に心強い。より積極的に攻撃することができる。

 その安全地帯は何かというと、対空砲しかない。対空砲がいれば、その上を飛んでいる敵の航空機は攻撃を受けて損耗していく。そんなところにのんびりといられるはずはない。

 航空機が安全に飛ぶには対空砲を排除しなければならないが、それにはかなりの困難を伴う。航空機は攻撃するたびに帰還しなければならないし、戦闘機の対空砲に対する攻撃力は低い。さらに、対空砲は森に隠れているため攻撃を受けにくく、破壊されることも少ない。

 そんな状況では相手の航空機と戦う余裕はなくなるので、結局引き返さなければならないということになる。

 対空砲が展開することで、空軍の安全地帯は広がっていく。無論、不用意に展開すれば個別に撃破される恐れがあるが、空軍と連携して前進することで、航空機の安全地帯はどんどん広げていくことができる。

 また、対空砲が存在することで、射程に入ったダミー航空機を消すことができる。戦闘機がダミー航空機を消した場合は弾薬補給のため帰還しなければならないが、対空砲が消した場合は攻撃を継続することができる。1機でも多くの戦闘機がほしい空戦において、この差は大きい。

 史実同様、R.U.S.E.でも制空権は勝敗を決定する大きな要因となる。