R.U.S.E.研究室

対空バンカーの差

 序盤で悩ましいのが、開幕空軍をしてくる敵の存在である。日本の零戦やイギリスのハリケーンが飛んでくるだけならカモフラージュをして放っておいても当面は問題ないが、偵察機と爆撃機を送られてしまうと生産基地を破壊されて致命的となる。

 自分で、あるいは友軍が飛行場を建てたとしても、零戦などは強いために手が出せず、苦戦を強いられてしまう。せっかく前方へ進出しているのであれば、真上に飛び回っている戦闘機くらいは追い払えるようにしたい。どの国でも対空砲の援護は欠かせない。

対空砲の出しづらさ

 ということで序盤から対空砲を出したいところ。しかし、対空砲自体は10~15ドルと高くはないのだが、大砲・対空基地が高い。

 一般的に、敵が空軍を出してくることを考えると飛行場か大砲・対空基地のどちらかを設置しなければならない。資金の少ない序盤では、飛んでくるかわからない航空機対策に大砲・対空基地など設置している余裕はない。

 しかし敵の航空機を見てから大砲・対空基地を設置するのは間に合わない可能性がある。また、うっかり補給拠点を取ってしまったりしていると、空挺などに対して対処がとても大変となる。

 そう、対空砲は出しづらいのだ。

対空バンカーの存在

 そこですぐに設置できる対空バンカーの存在が大きくなってくる。

 たとえば兵舎と対戦車基地を前に出して戦おうと思ったとき、空挺や爆撃機が飛んできてしまうと非常につらい。あるいは味方の空軍がダミーの混ざった敵航空機に苦戦している場合。飛行場はもちろん、大砲・対空基地など出している余裕がない。

 そんなときは対空バンカーを設置しよう。ダミー航空機は片っ端から消してくれるし、地上から友軍航空機を強力に援護することができる。また、空挺に対しても、設置しておけばかなりの数を撃ち落としてくれる。

 対空バンカーは必要なときに最低限の資金ですぐ設置できることがメリットだ。

持たざるもの

 そんな便利な対空バンカーも、すべての国に存在しているわけではない。

 ドイツ、イギリス、ソ連には対空バンカーはない。ソ連の大砲・対空基地は安価であり対空砲を生産するために設置してもあまり痛くはないが、ドイツとイギリスは基地が高価であるため、非常に苦しい。どちらも大砲・対空基地を設置していたら、序盤の選択肢が大幅に狭まってしまう。

 対してアメリカ、フランス、イタリア、日本には対空バンカーがある。それぞれ特徴があるが、対空バンカーがあるかないかだけでも選択肢は大きく変わってくる。持つものと持たざるものの違いは大きい。

対空バンカーの比較

 対空バンカーの性能は次のとおり。

  ユニット 生産費用 対空能力 耐久力
アメリカ 対空バンカー 30 48 750
フランス 要塞化陣地 20 23 750
日本 対空陣地 20 28 250
イタリア 90mm対戦車砲陣地 40 25 750

 フランスは対空性能が低く、なかなか敵航空機を追い返すほどのダメージを与えることができない。日本は耐久力が低い。ハリケーンあたりに狙われると簡単に壊されてしまう。しかし、どちらもかなり安い。

 対してアメリカとイタリアは高性能だが、少し高い。

圧倒的な強さのアメリカ

 アメリカは豊富な選択肢、柔軟な戦術がとれるイメージがあるが、それは対空バンカーの存在が大きいといえよう。対空能力48と耐久力750は序盤ではかなり強力で、対空砲火を浴びながら留まれる航空機は存在しない。

 アメリカは対空バンカーをひとつ置いておくだけで敵の航空機を防ぎ、友軍航空機を地上から援護でき、かつ、大砲・対空基地を設置しない戦い方をすることができる。

 アメリカの強さの一つに対空バンカーがあるのは間違いないだろう。