R.U.S.E.研究室

スツーカと対空砲火

 ドイツ軍の戦闘爆撃機はJU87のみだ。イギリス軍のように上位の戦闘爆撃機は用意されていない。航空機がほとんど飛んでいない序盤から、対空砲が揃う終盤までドイツ軍はJU87で戦わなければならない。

 もっとも、これはドイツに限ったことではなく、二種類の戦闘爆撃機を使用できるのはすべての国家の中でもイギリス軍だけである。

 しかし、ドイツ軍の戦闘爆撃機は、序盤以外では非常に使いにくいユニットだ。

各国の戦闘爆撃機比較

 数値だけで比較すると、JU87は決して性能の低い戦闘爆撃機ではない。研究せずに生産できるし、高い対地攻撃力を持ち、破格の20ドルという安さ。

  ユニット 生産費 研究費 速度 威力 動作 対空
アメリカ P47サンダーボルト 30 50 630 860 ロケット 31
イギリス タイフーン 40 50 630 1440 ロケット 31
ソ連 シュトルモヴィク 35 50 540 1440 ロケット 16
ドイツ JU87 20 - 450 1050 急降下 20
イギリス ハリケーン 25 - 540 660 普通 27
日本 彗星 30 25 540 660 普通 31
フランス グッピー 20 - 360 660 普通 24
イタリア スパルヴィエーロ 30 25 630 660 普通 24

 見てのとおり、JU87はコストの安さと高い攻撃力が特徴だ。欠点は移動速度だが、これは大した問題ではないだろう。

 問題となるのは速度ではなく、急降下爆撃というその特殊な動きにある。

急降下爆撃のメリットとデメリット

 通常、爆撃するときに戦闘爆撃機は地面に対して水平に飛行し、爆弾を投下する。対して急降下爆撃は、目標に向かって急降下しつつ爆弾を投下する。

 急降下爆撃のメリットは、水平爆撃に比べて爆弾の着弾地点の誤差が小さいことにある。急降下爆撃は命中率の高さがメリットだ。

 デメリットは急降下爆撃に適した機体でないと行えないこと、爆弾を投下する高度が低くなるため威力が下がることである。もちろん、急な角度で急降下すれば操縦が難しくなるという問題もある。

 ドイツ軍は命中精度の高い急降下爆撃を多用した。

R.U.S.E.の急降下爆撃

 さて、そんな命中率の高いことがメリットの急降下爆撃だが、R.U.S.E.ではそのメリットはまったく意味がない。なぜなら、R.U.S.E.には命中率の概念がほとんどないからだ。水平爆撃だろうが急降下爆撃だろうが、対空砲だろうが、基本的に全部当たるわけだ。

 そしてもう一つの問題となるのが、この対空砲の命中率。JU87は急降下爆撃を行うために、対空砲火にさらされる時間が他の戦闘爆撃機よりも長い。

 驚くべきことに、JU87は10ドルの対空砲が2門いるだけで撃墜されてしまう。試しにキャメルを2門とパナールを配置し、JU87パナールの破壊を命じたところ、パナールの破壊に失敗し、かつ撃墜されてしまった。相打ちにも持ち込めなかった。

 よく確認したところ、爆弾投下の直前に撃墜されてしまったようだ。捨て身で偵察車1両を破壊することもできないのでは、お話にならない。

 スツーカ(JU87)の対空砲火に対する弱さは、半端ではない。少しでも対空砲が出てくれば何もできなくなる。運用できるのは序盤だけだと思ったほうがいいだろう。