R.U.S.E.研究室

イギリス陸軍考察

イギリス陸軍考察

 イギリスは空軍が強力だが、常に空軍一辺倒ではマンネリ化するし、パターン化した戦法は対策も取られやすい。陸軍を中心とした戦いを取り入れることができれば、戦術に幅が広がる。

 しかし、イギリス陸軍の弱さは想像以上だ。

主力戦車

 イギリスの主力戦車はA13巡航戦車A27クロムウェルマチルダの3種類だが、はっきり言って、どれも主力戦車として必要な水準を大きく下回っている。

 A13巡航戦車は中戦車とは思えない低い攻撃力と防御力で、軽戦車と互角に戦うのが精一杯。コストは立派に中戦車なので、役に立つことはないだろう。

 A27クロムウェルは高い研究費と生産費が問題。いちおう移動速度は上位に数えられるが、その攻撃力も防御力も、生産コストに見合ったものではない。

 マチルダはこれまた重戦車とは思えない性能である。軽戦車並みの攻撃力で、歩兵くらいしか相手にできない。

 また、上記の役立たず戦車に加え、装甲車両基地から生産できる偵察車両も異常な高コスト。戦車を中心とした戦いは諦めるしかない。

歩兵と駆逐戦車

 一方で歩兵と駆逐戦車は一定の戦力になる。歩兵は対戦車能力が低いものの、それ以外は他国と同等なので使えないことはない。

 駆逐戦車のアーチャーは研究費用が25ドルで、生産費用は10ドル。イギリスにしては格安だ。攻撃力、防御力、移動速度も合格水準を満たしている。陸軍で戦うなら対戦車戦が一番の問題となるから、アーチャーが主力ユニットとなるだろう。

 ファイアフライもなかなかの性能だが、研究費用が高い。アーチャーの研究費用と合計すると、なんと100ドルも必要になる。なんとスーパーパーシングと同額なのだ。

ヴィッカースとと87MM榴弾砲

 アーチャーをサポートするユニットには、ヴィッカース87MM榴弾砲がいる。

 ヴィッカースは対歩兵専用のユニットで、目立たないものの対歩兵戦では最強クラスの使い勝手を誇る。上手に使えば、イギリスは歩兵ラッシュ対策は難しくない。

 87MM榴弾砲は十分な射程を持ち、重大砲よりも安価でバランスが取れている使いやすいユニット。必要に応じて装甲付きのセクストンを生産することもできる。

 このへんのユニットは、決して他国に劣っているわけではない。

対空砲とスピットファイア

 次に対空砲について。これがイギリス最大の問題である。

 空軍王国イギリスは、対空砲が貧弱。対空砲はボフォースのみ。このボフォース、アメリカと同じ名前で性能もまったく同じだが、生産コストが異なる。イギリスのボフォースのほうが5ドル高い。たかが5ドルと思うなかれ。10ドルに対して15ドルだから、50%も高いのだ。これは複数のユニットを生産すると、すぐに差が現れる。数を揃えることが難しく、敵の空襲に対処しづらい。

 対空砲の不足はイギリス軍自慢の戦闘機を絡めることで対応したいところだが、この戦闘機もくせ者である。

 イギリスに存在する戦闘機はスピットファイアのみ。研究に50ドルかかる。陸軍を中心に生産しておいて、飛行場を設置してスピットファイアを研究なんかしたら資金がどれだけあっても足りない。ハリケーンで代用しようにも、戦闘爆撃機のハリケーンでは敵の戦闘機を追い払うのは難しいだろう。

 個別に見ればそう極端に劣っているわけではないイギリス陸軍だが、やはり陸軍を主力として戦うのは無理がある。貧弱な対空砲と高価な戦闘機のために、陸軍を主力として空軍にサポートさせる戦術も採りづらい。

 やはりイギリスは空軍を主力にするしかないだろう。

 しかしヴィッカースアーチャー87MM榴弾砲などは状況に合わせて投入できれば、十分に活用できる。空軍を中心にしつつも、優れた陸上ユニットでサポートしていくという方法はある。