ドイツ軍の主力戦車
ドイツ軍の戦車は有名である。圧倒的な火力、あらゆる砲弾を跳ね返す装甲。堅実な設計のIV号戦車、優れた生産性のパンター、最強の重戦車タイガー。豊富な種類があるドイツ軍ならば、主力戦車に困ることはないだろう。陸戦最強の国家はドイツに違いない。
そう思っていた。R.U.S.E.を始めるまでは。
各国の主力ユニット
各国家には主力となるユニットがほぼ決まっている。アメリカ軍ならばスーパーパーシング。イギリス軍はスピットファイア、イタリア軍はカルロM15。ソ連軍は親衛隊。それぞれ主力となるユニット、量産するべきユニット、あるいは目指すべきユニットがある。
しかし、ドイツ軍にはそれがない。
候補となるのは突撃擲弾兵、FLAK 88MM、IV号戦車、パンター、タイガー、キングタイガー、マウス、マルダー、ヤークトパンターといったところ。たしかに、種類だけは豊富だ。はたして、どのユニットがドイツ軍の主力としてふさわしいだろうか。
候補を絞る
消去法で考えていく。
まずヤークトパンター。上位の駆逐戦車を最初から目指すということは、勝つつもりがないということを意味する。駆逐戦車は敵の攻撃を止めるために使うものなので、これを量産しても勝利にはつながらない。そして、ヤークトパンター自身が特別優れているユニットというわけでもない。
同じ理由でFLAK 88MMがある。大砲や歩兵に弱いだけでなく、戦闘機にも弱い。なによりコストが高い。移動速度が遅く、攻撃にも使えない。主力にはできない。
次にマウスとキングタイガー。これらを量産できれば勝率は高いのだが、これらを量産できるように戦うことが重要なのであって、最初からマウスやキングタイガーを目指していたのでは到底勝てない。
そして突撃擲弾兵。兵舎のコストが高いため、ソ連の兵舎と親衛隊の組み合わせほど優れてはいない。そもそも歩兵を常に主力として戦うことができるのは、ソ連くらいだ。常用する戦術としては使えない。
タイガーとパンター
ここまでで残ったのはIV号戦車、パンター、タイガー、マルダー。
タイガーはキングタイガーに繋げられるという強みがあるが、研究費50ドルと生産費40ドルは重い。他国の安価で高速な中戦車に数で負けてしまうだろう。
パンターならばタイガーよりも柔軟に対応できるが、キングタイガーなどの射程500mの重戦車に繋がらないため発展性が低く、その割にはやはりコストが高い。
マルダーとIV号戦車
駆逐戦車はたとえ性能が優れていても、主力として使うには難しいことが多い。マルダーのみを主力として使うことはありえない。マルダーを中心に使うならば、突撃擲弾兵や大砲、III号突撃砲などと組み合わせることになるだろうが、兵舎、大砲・対空基地、対戦車基地を同時に設置した場合のコストは30+45+45=120ドルにもなり、深刻な資金不足となる。
ではIV号戦車が無難なところだろうか。しかし、IV号戦車は他国の中戦車と比べても大して優れた性能を持っているわけではないし、上位のユニットへの移行もスムーズであるとは言いがたい。
結局、大砲・対空基地か飛行場は設置しなければならなくなってくるし、IV号戦車が有効であるとはとてもいえない。
ドイツ軍の主力戦車
消去法で消去していったところ、残るユニットはなくなってしまった。
ドイツ軍は研究費が安いことが特徴である。突撃擲弾兵、IV号戦車、マルダー、PAK 40、いずれも研究費は25ドルであり、柔軟な研究が可能となっている。これは他国にはない特徴であるから、意味があるに違いない。
主力となるユニットを定めるのではなく、多様なユニットを組み合わせて戦っていくように設定されているということだろう。
といっても、肝心の生産基地が高価であり、いろいろなユニットに手を出していたら資金が底をつくことは間違いない。ドイツ軍は難しい。